結婚を機に銀行員から農業に転身した、笑顔がとってもチャーミングな吉田由樹子さん。妻であり、一児の母でもある彼女に生産者としての思いを聞いた。
日焼けしないように、どんなに暑くても、長袖、長ズボンで作業するという由樹子さん
「私が住んでいる土浦は、町全体が家族みたいなあたたかいところです。農業という仕事をやっているからかもしれませんが、知らない人がいないくらい。畑で仕事をしていると、いろいろな人に声をかけてもらえ、それが嬉しいんです。農家にお嫁にきてよかったなって思いますね」
由樹子さんが、以前勤めていた地元の銀行を辞め、お米やネギ、オクラなどを生産する農家に嫁いだのは4年前。まったく畑違いの仕事で、最初は不安もあったようだが、現在は夫の藤樹さんと力を合わせて、いきいきと仕事をしている。
「自分自身が不安だっただけでなく、周囲の人にとっても心配されました。ただ、嫁いだ先の家族が優しく迎えてくれましたし、地域の人も優しく見守ってくれました。まだまだ皆さんの力にはなれないんですけれど、居心地はいいですね。楽しいです」
とはいうものの、オフィスと違い、真夏の炎天下での作業も多い農家の仕事。体力的には問題なかったのだろうか。
「もちろん、体力的にキツいこともあります。銀行員のときより、やせましたし、以前より体をよく動かす分、ご飯もおいしく食べられるようになりました。仕事後のご飯の味は、ホントにもう、格別の味です。いいことばかりですね」
由樹子さんと藤樹さんは、2008年に長女の「あり紗ちゃん」を授かった。今は育児をしながら、藤樹さんの仕事をサポートしている。また、由樹子さんは、若い世代が中心となっている茨城県内の農家ネットワーク『カルティベイト』の設立メンバーとして、農業を盛り上げる活動もしているという。
今の時期、オクラは朝と夕方の1日2回の収穫ができる








「東京で野菜を販売したり、季節の野菜の詰め合わせをネットで販売したり、普段農業に縁のない方に農業体験をしてもらうイベントを開催したりしています。農業には、“キツい”“汚い”“お金もない”の“3K”のイメージがありますが、若い世代が中心となり、『そんなことないよ』って伝えていければいいですね」
カルティベイトは現在、月2回ほど会合を開いている。最初は5人しかいなかったメンバーが、今は40人ほどになった。“次代の農家”を牽引する存在になることが目標だという。農業に熱い思いを寄せる由樹子さんに、今後の目標を聞いてみた。
「農家の奥さま方のネットワークを広げていければと思います。情報交換することで、知識が増えていくので、主人の仕事のサポートも今よりできると思うんです。農業をやっていると、お化粧やマニュキュアなんかもできないんじゃないかってイメージがあると思うんですが、実際はそんなことないんですよ。仕事さえ終われば自由です。女性ならではの視点で、そういうことも発信していければと思っていますね」